CONTROL
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CONTROL
インターネット上の創作小説コミュニティ『SCP財団』の世界観に影響を受けたホラー系TPS(サードパーソンシューティング)アクション。
最大の敵はパソコンとゲーム機のスペック。
この項目ではDLC抜きの本編を扱う。
PS4、PS5、PCでプレイ可能。
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前提豆知識:SCP財団とは
ネット上で世界観を(大雑把に)共有して創作されるシェアードワールド作品群のこと。
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『Secure Contain Protect』(確保 収容 保護)を合言葉として人類の常識を外れた以上な事物を確保し、危険のないよう封じ込め(収容し)、人類を保護するという理念を持つ巨大組織の一つ。
ただし本作の世界観はあくまで『それらに影響を受けた』ものであるため、そのもののゲーム化であると思ってプレイするとガッカリするかも知れない。
超能力アクションで陣地を広げる
主人公ジェシーは子供の頃に生き別れた弟ディランの情報を求めて連邦操作局(Federal Bureau of Control)ことFBCを訪れる。
無人のエントランス(よく見るとこの時点でSCPでいう収容違反、異常存在が暴れていることがわかる)を通り抜け、たどり着いた部屋で彼女は何かに操られるように自分の頭をそこにあった拳銃で撃ち抜いてしまう。
そして謎の声に導かれるまま謎の世界を進んで息を吹き返したジェシーは銃によって新たな局長に任命され、謎の存在ヒスに侵略された連邦操作局を奪還するべく戦うことになるのだが……
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訳の下手くそさとシナリオの作りが事故っている
本作の問題点の一つに翻訳の質の低さが挙げられるが、これと併せてシナリオをわかりにくくしているのが『プレイヤー=ジェシーではない』という点だろうか。
弟の情報を求めて進むジェシーは時折誰かに向かって独り言のように現状に対する考えを述べる訳だが、彼女の過去についてジェシー自身が語ることは少ない。
もちろんシナリオが進むにつれ、ジェシーとディランの二人、そしてその故郷であるオーディナリーの町に何が起こったかは明かされていくのだが、開始時点で全てが語られるというわけではない。
加えて彼女の過去に関するデータはそこかしこに点在していたりするため、細かい探索は必須。
理解して楽しむには根気がいるゲームだと言える。
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恋愛要素はないし洋ゲーなので顔は濃い
本作におけるシナリオの主目的が『ここにいるはずのディランの捜索』であり『いかにしてジェシー・フェイデンはFBC局長であることを受け入れたか』である関係上、恋愛要素はない。
というよりネームドキャラクターがそもそもほとんど存在しない上、ヒスと呼ばれる超常存在との戦いに持てるリソース全てをぶっ込んでいる状況のためそんな余裕がないとも。
(実質FBCが最後の防衛線であるため)
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英語能力があると一層楽しめる
本作の翻訳はGoogle翻訳でも通したのかというほど珍妙な逸品だが、その翻訳の難易度が高いのは原作のダブルミーニングを多用した言い回しのせいでもある。
作中、ジェシーだけが意思疎通を図ることのできるボードと呼ばれる存在の発言がいい例。
その他ディラン姉弟の故郷オーディナリーという名前も『普通の』という形容詞に引っ掛けたダブルミーニングだったりする。
普通にシナリオを追っても楽しいが、ダブルミーニングが分かるとなお快感。
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戦闘の難易度は高め
本作に登場するエネミー『ヒス』はFBCの人員に取り憑いたような形で登場するため、攻撃はなかなかアグレッシブ。
戦闘員なら銃や手榴弾で武装しているし、武装していなくても物体を飛ばしたりして攻撃してくるため周囲の環境をよく見て戦う必要がある。
銃も複数種類存在するため上手く使い分けたいところ。
またボスによっては『大元の個体を撃破するまで増援無限湧き』、『マップの地面が破壊されて/そもそもないので足場から落ちたらアウト』など煮え詰まりそうになるポイントが幾つかある。
メーカーとしてはむしろ高難易度を意識して作っているようで非常時用の『死なないモード』設定があると言えばお察しいただけるだろう。
スペック喰い
難易度の高いゲームでもいいというガッツのある層にはおすすめしたい一本だが、かなりのスペックを要求するゲームなので注意が必要。
ゲーミングノート(グラボGTX1600/6GB メモリ32GB)
でも結構ファンがうるさくなる上、場合によってはソフトが落ちる。
PS4、PS4proでも動作が遅く、PS5にしてようやく快適になったという話も。
それだけグラフィック、光の表現にこだわってはいるのだが、スペック的にはユーザーを選ぶかもしれない。